日本介護福祉士会のホームページが更新され、
平成25年度の助成金事業報告として、
質の高い介護サービスの提供力、医療連係能力等を持つ介護福祉士(認定介護福祉士)の養成・技能認定等に関する調査研究事業(平成25年度老人保健事業推進費等補助金)という内容での報告が掲載されています。
ぜひご一読いただきたいと思いますが、
そのなかで重要な部分だけをピックアップしてお知らせしていきたいと思います。
まず、認定介護福祉士のねらいとして4つのポイントが明記されています。
1.生活を支える専門職としての介護福祉士の資質を高め、介護サービスの高度化に対する社会的な要請に応えるというものです。
利用者のQOLの向上や介護と医療の連携強化と適切な役割分担の促進、地域包括ケアの推進など、認定介護福祉士の果たすべき役割としています。
具体的な内容として、このように記載されています。
【社会から期待される成果】
・生活機能の維持・改善により、要支援・要介護度が改善される
・障害に応じた生活環境が整備され、地域での自立生活、社会参加ができる
・重度の認知症となっても地域生活を継続することができる
・医療の必要性が高くても、早期に退院し、施設や在宅で生活できる
・口腔機能の維持向上、排泄の自立、BPSDの減少などがはかられる
・地域生活を継続しながらその人らしい終末期を迎えることができる
もちろん、これは認定介護福祉士であっても介護福祉士であっても、それ以外の有資格者であっても、
目指すべき介護職としての姿であることは変わりありません。
医療との連携などについては、認定介護福祉士が医療職との橋渡しになることが役割として大きいと考えられるのではないでしょうか。
2.介護の根拠を言語化して他職種に説明し共有したり、他職種からの情報や助言の内容を適切に介護職チーム内で共有することで、他職種との連携内容をより適切に介護サービスに反映することに寄与する。
根拠の言語化に関しては、介護職にとって非常に弱い部分ではないでしょうか。
経験と勘に頼った介護、行ったケアの責任を利用者に転嫁するのではなく、根拠に基づいたケアを行うことが出来る。
そのための連携や情報共有という内容ですね。
3.介護福祉士の資格取得後の継続的かつ広がりを持った現任研修の受講の促進と資質の向上を図る。つまり、介護福祉士資格取得後も介護業界で努力し続け、継続的に自己研鑽する拠り所となる。(このことにより人材の定着率を高める)
4.介護福祉士の資格取得後のキャリアパスの形成
以上のような内容から、ねらいというものをものすごい簡潔にまとめると2つ。
・根拠をもとに医療職にも対等な立場で意見を出せる介護の専門職を作る
・介護福祉士の次のステップとしてのキャリア形成
このように考えてよさそうです。
この認定介護福祉士という資格が、それだけの価値を持った資格になるかどうかは、まだまだ未知数ですが、
現段階ではまだまだ弱いような印象があります。