認定介護福祉士の受講資格は?
現在、モデル事業が進められている認定介護福祉士ですが、
介護福祉士の上級資格として、認定介護福祉士の受講資格がどのように定められているのか、
その要件をお伝えります。
まだ検討中の段階にありますが、具体的にはこのくらいの資格を想定しているようです。
○ 実務経験7~8年以上を想定する。
○ 介護チームのリーダーとしての実務経験を有することが望ましい。
○ 居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつことが望ましい
※いずれかの経験がない場合には研修によって補うことができることとする。
主に実務経験という部分になりますので、介護福祉士国家試験やケアマネの受講試験のように、
試験に合格することが要件になっているわけではありません。
研修の受講についても、7~8年というのはひとつの目安であって、このようにも記載されています。
・実務経験が7~8年に達する間に、実務上の必要性に応じて段階的・柔軟に受講ができるようにする観点から、研修の内容に応じた必要最小限の受講要件(不要なものは設けない)について検討する。
・受講者の知識等のレベルを揃えるための方策について検討する。
研修期間もかなり長期間に及ぶことから、受講についても柔軟に受け入れができるようにという考えもあるようです。
受験ではなく、受講というところで、
その質を必ずしも担保できるわけではなく、
また、受講するための費用や期間の負担などを考えると、
能力が高くても、誰しも受講できるものではないため、
上級資格としての存在意義が問われる部分もあるかもしれません。
受講要件はこう変わりました。
受講要件については、平成30年現在このようになっています。
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類
- 介護福祉士としての実務経験(5年以上)ただし、科目によっては実務経験を問わない場合がある。
- 現任研修受講による内省や学習習慣の獲得実務と現任研修への受講経験をつうじて、的確な判断や対人理解に基づいた尊厳を支える。ケアについて、常に考え内省する習慣、学習する習慣を獲得している。研修受講歴とレポートの提出によって研修実施機関が確認する。
- ※評価が客観的に認められること(修了証等)
- 介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー (ユニットリーダー、サービス提供責任者等)としての実務経験を有することが望ましい
- 居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつことが望ましい
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類
- 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了
- 介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー (ユニットリーダー、サービス提供責任者等)としての実務経験を有すること
- 居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつことが望ましい
実務経験としては5年。ですが、介護福祉士としての実務経験が5年です。
つまり、介護福祉士の資格取得する前までの実務経験は実務経験に含まれないため、介護職としての実務経験は10年だったとしても、介護福祉士になってからはまだ3年ということであれば、受験資格としての実務経験を満たさないことになります。
「学習習慣の獲得実務」とわかりにくい表現もありますが、介護福祉士現任研修や介護福祉士ファーストステップ研修などを修了して、修了証を受けていることなどが、客観的な評価に該当するものになります。
実務経験と研修修了証以外は、「望ましい」という表記になっていますので、この二つがまずは最低限度のハードルということになりそうです。
それ以上のハードルは認定介護福祉士養成研修に出るための費用や研修日程の確保というところだと思いますが・・・。