認定介護福祉士になるには

介護福祉士の上位資格である認定介護福祉士。

ここでは、認定介護福祉士になるための情報を掲載しています。

認定介護福祉士になるには、認定介護福祉士養成研修を修了後、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構による審査を経て、認定介護福祉士としての認定を受ける必要があります。

認定介護福祉士養成研修を受講

まずは認定介護福祉士養成研修の受講について説明します。

認定介護福祉士養成研修の受講要件

認定介護福祉士になるためには、認定介護福祉士養成研修を受講する必要がありますが、養成研修を受講する要件(受講資格)も定められていますので、紹介します。

認定介護福祉士にはⅠ類とⅡ類がありますが、まずⅠ類についての受講要件を記載します。

1.介護福祉士としての実務経験(5年以上)

まずひとつはいわゆる実務経験で、5年以上という基準を設けています。

「ただし、科目によっては実務経験を問わない場合がある。」とも記載されていますので、実務経験が5年未満であっても受講ができる可能性はありそうですので、ひとつの基準として考えていただければと思います。

また、介護職員としての実務経験が5年以上ではなく、介護福祉士になってからの実務経験が5年以上ということですので、介護職員として実務経験を積んで介護福祉士になった方の場合、介護福祉士になる前の実務経験は合算されないことに注意してください。

2.現任研修受講による内省や学習習慣の獲得

学習習慣の獲得ということで、介護福祉士現任研修を受講していることを受講資格の一つとしています。

これは介護福祉士ファーストステップ研修などを受講し、修了することで受講要件として認めているようです。

ただ、この介護福祉士ファーストステップ研修についても、232時間のカリキュラムで全15日間の日程で組まれることの多い研修。費用も介護福祉士会の非会員の場合は10万円以上になる研修ですので、それなりの覚悟がないと受講できない研修です。

ファーストステップ研修以外の研修参加の場合にはレポートや試験が必要になる場合もあるようです。

3.介護職の小チームのリーダーとしての実務経験を有すること

認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の受講資格としては、あくまで「望ましい」という受講要件の一つですが、介護職の小チームのリーダーとしての実務経験が求められています。

ただ、認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の受講要件としては、「望ましい」と記載されていますが、Ⅱ類の受講要件としては「望ましい」が削られていますので、認定介護福祉士としては現場の小チームのリーダーであることが望まれています

小チームは特養などの施設などであればユニットのリーダーであったり、訪問介護の事業所であればサービス提供責任者であったり、チームのリーダーとしての実務経験があることが望ましいとされています。

4.居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつこと

これもあくまで「望ましい」と書かれている内容なのですが、施設系・居宅系の両方のサービス提供の経験があれば望ましいというものです。

簡単に書いてあるけれど、なかなか両方のサービスを展開している法人となると、大手の企業か社会福祉法人になるでしょうから、転職でもしないと難しい場合もありますよね。

以上が認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の受講要件です。

認定介護福祉士養成研修の実務経験

認定介護福祉士養成研修Ⅱ類の受講資格は

認定介護福祉士養成研修Ⅱ類の受講要件は、

  • 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了していること
  • 介護職の小チームのリーダーとしての実務経験を有する
  • 居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつことが望ましい

施設・在宅双方でのサービス提供についてはやはり「望ましい」とされている内容です。

認定介護福祉士養成研修を受講する

認定介護福祉士養成研修を修了する

認定介護福祉士養成研修はⅠ類、Ⅱ類と合わせて600時間の研修カリキュラムとなっています。

600時間、かなり膨大な時間数です。

たとえば、ケアマネ研修と言われるケアマネ試験合格後に受講する介護支援専門員実務者研修の場合は87時間です。

ケアマネの上位資格である主任介護支援専門員研修でも70時間です。

ケアマネの場合は5年ごとの更新研修も必要になるという違いはありますが、この600時間という時間数がいかにボリュームの大きいものかがわかります。

認定介護福祉士養成研修のカリキュラム

研修カリキュラムは以下のようになっています。

領域名 科目名 単位 時間
(課題学習を可とする時間)
形態
Ⅰ類 認定介護福祉士養成研修導入 認定介護福祉士概論 1 15(7) 講義・演習
医療に関する領域 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅰ 2 30(30) 講義
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅱ 2 30(15) 講義・演習
リハビリテーションに関する領域 生活支援のための運動学 2 10(10) 講義
生活支援のためのリハビリテーションの知識 20(8) 講義・演習
自立に向けた生活をするための支援の実践 2 30(8) 講義・演習
福祉用具と住環境に関する領域 福祉用具と住環境 2 30(0) 講義・演習
認知症に関する領域 認知症のある人への生活支援・連携 2 30(15) 講義・演習
心理・社会的支援の領域 心理支援の知識技術 2 30(15) 講義・演習
地域生活の継続と家族支援 2 30(15) 講義・演習
生活支援・介護過程に関する領域 認定介護福祉士としての介護実践の視点 2 30(0) 講義・演習
個別介護計画作成と記録の演習 2 30(0) 講義・演習
自職場事例を用いた演習 1 30(20) 演習・講義
Ⅰ類 計 345(143)
Ⅱ類 医療に関する領域 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅲ 2 30(15) 講義・演習
心理・社会的支援の領域 地域に対するプログラムの企画 2 30(15) 講義・演習
マネジメントに関する領域 介護サービスの特性と求められるリーダーシップ、人的資源の管理 1 15(7) 講義・演習
チームマネジメント 2 30(15) 講義・演習
介護業務の標準化と質の管理 2 30(15) 講義・演習
法令理解と組織運営 1 15(7) 講義・演習
介護分野の人材育成と学習支援 1 15(7) 講義・演習
自立に向けた介護実践の指導領域 応用的生活支援の展開と指導 2 60(40) 演習・講義
地域における介護実践の展開 2 30(0) 講義・演習
Ⅱ類 計 255(121)
合計 37 600(264)

研修については各都道府県の介護福祉士会でアナウンスされますが、まだ開催していない地域がほとんどです。

受講料については、介護福祉士会の会員・非会員によって金額が異なりますが、受講費用は非会員の場合は50万円近くになります。

研修終了後、認定を受けて認定介護福祉士に

研修が終われば認定介護福祉士、ではなく、研修修了の書類を提出し、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構の審査を受けて、晴れて認定介護福祉士登録名簿に記載されるという流れです。

最低限必要になるものをまとめます。

  • 介護福祉士としての実務経験5年以上
  • 介護福祉士ファーストステップ研修もしくはそれに近い研修の受講
  • 勤務先で介護職のチームリーダーであること
  • 研修受講費用50万円を用意できること
  • 研修受講時間600時間を確保できること

かなり高いハードルではないでしょうか。

受講費用については勤務先である法人等が用意してくれる場合も多いかと思いますが、ある程度、法人の規模がないと研修受講のサポートを得るのは難しいかもしれません。