認定介護福祉士について、日本介護福祉士会内田副会長インタビュー

官庁通信社のJOINTに認定介護福祉士についてのインタビューが掲載されていますのでご覧ください。

「認定介護福祉士」とは何か? どうしたらなれるのか?

昨年12月1日、「認定介護福祉士認証・認定機構」が新たに発足した。「認定介護福祉士」の養成に向けて、体系的な研修を行う機関を基準にもとづいて「認証」し、そこで学び終えた人を正式に「認定」するという。認定介護福祉士とは何か、どのようなキャリアを持っていれば目指せるのか、研修はどういった内容なのか。中心となって制度づくりを進めてきた「日本介護福祉士会」を訪ね、内田千惠子副会長に詳しく話を聞いてきた。

現場の核となる優秀な人材を

  ーー 認定介護福祉士とは何でしょう? どんな人を想定しているのでしょうか?

より高い専門性を持ち、現場をマネジメントできる資質も備えている人と考えています。例えば、利用者の生活環境に合わせて最善の個別ケアを提供できる、質の高い心理的ケアや終末期ケアを実践できる、リハビリの知識を踏まえた介護を計画・提供できる、そうしたスキルが求められます。また、現場で中心的な役割を担ってチームを管理・指導し、サービスを組織的に展開していく能力も必要です。介護の根拠を言語化して説明できる力も欠かせません。

  ーー 根拠の言語化と言いますと?

どうしてその場面でその介護を行うのか、という理由をきちんと伝えられるようにならないといけません。例えば医療や看護では、そうしたことは土台として既にありますよね。介護の根拠と正しいアプローチを他の職員に教え、チームの意識改革やサービスの向上につなげていくことも期待されます。

  ーー 介護現場の良きリーダーというイメージでしょうか?

そうですね。多職種と連携・協働するなかでも、主導的な役割を果たしていってもらいたいです。医師や看護師、ケアマネジャーから得る情報を、適切に理解してチーム内ですぐに共有する。利用者の状態や変化、それを踏まえて実践しているサービスの詳しい内容を、正しく論理的に他の職種に報告できる。そうした器量も問われていくでしょう。また、利用者の家族やボランティアの相談に乗って適切にアドバイスするなど、地域と関わる力も高めてもらいたいと考えています。

  ーー どうして今、認定介護福祉士の養成を始めることになったのでしょうか?

介護ニーズがより多様化、複雑化、高度化してきました。今後も社会の要請に応えていくために、よりレベルの高い介護職を育てていかなければなりません。一言で介護福祉士といっても、そのレベルにはバラつきがみられるのが現状でしょう。また、これから人手の確保が大きな課題になっていきますよね。良いサービスを効率的に提供できる体制をつくるには、核となる人材の存在が欠かせません。しっかりした技術と多角的な視点を持ち、現場をまとめて引っ張っていける優秀な介護職が不可欠ではないでしょうか。

  ーー 優秀で核となる人材。なるほど…。

新たなキャリアパスの仕組みを構築するという狙いもあります。介護福祉士の資格を取った後も、さらなるレベルアップを目指して学んでいける機会がなければいけません。例えば現在、小規模なチームのリーダーとなる人に必要なことを学んでもらう課程として、「ファーストステップ研修」というものがあります。この対象は、介護福祉士になってから現場で2年程度の経験を積んだ人ですが、それより先の研修はもうあまり無いんですよね。認定介護福祉士が継続的な自己研鑚の拠り所となり、介護職のモチベーションのひとつになればいいでしょう。

研修は計600時間、秋ごろ本格スタート

  ーー 認定介護福祉士にはどういう人が挑戦できるのでしょう?

そこはまだ正確に決まってないんです。もちろん、ある程度の能力をすでに持っていることが前提になりますよね。今のところ、おおむね5年から6年のキャリアを積んできた介護福祉士のうち、チームのリーダーとして働いた経験がある人を想定しています。また、「ファーストステップ研修」をはじめとする一定の研修を修了していることも条件となるでしょう。これは近日中に決定し、改めて公表させていただくことになっています。

  ーー いつ頃から「認定介護福祉士」の研修を始めるのでしょう?

今後のスケジュールですが、まずは研修を実施する機関(団体・養成校、社会福祉協議会など)の認証を今月中にも開始します。それから希望者の募集など様々な準備を進め、実際に研修が本格的にスタートするのは秋ごろだと考えています。

  ーー 研修はどんな内容になるんでしょうか?

1類と2類のふたつに分かれます。最初の1類が345時間、次のステップの2類が255時間。この中には、それぞれの職場で実際に取り組んでもらう演習なども含まれます。座学だけではありません。

  ーー 合計で600時間ですか。

そうですね。1類では、現場を牽引するために欠かせない実践力の確立を目指します。チーム運営の「いろは」はもちろん、リハビリテーションや心理・社会的ケア、医療、生活支援、介護過程、福祉用具・住環境といった様々な分野について、介護職として必要な知識・ノウハウをしっかり獲得してもらい、それを統合して展開できる能力を養ってもらう。次の2類は、とりわけマネジメントに関する領域に重きを置いています。例えば、組織行動論にもとづいて自分やチームを省みて課題をみつけ、改善に向けた持論を形成できるようになっていただく。また、介護や福祉、保健、医療に関わる法規・制度についての理解を深め、それを踏まえた指導ができるようになるカリキュラムもあります。そのほか、自立を促す介護や心理・社会的ケア、医療といった分野でさらにレベルアップできるようにしました。

  ーー なんだかとても大変そうですね。

土日や夜間に研修を行うことも含め、働きながらチャレンジを続けられるように配慮していきます。研修の期間や会場を柔軟に選べるようにしたり、科目ごとに認定を取れるようにしたりする工夫もしました。eラーニングで進めることも可能になるでしょう。

  ーー やはり広く普及させていくことが課題となるでしょうか?

新たな機構の会員や介護福祉士会の支部、関係団体などの協力を得ながら、うまく広報していきたいですね。ホームページやパンフレットも活用し、多くの人に知ってもらえるように努めていきます。

  ーー なんらかの形で介護報酬と連動させ、金銭的なインセンティブを用意するといったことはないんでしょうか?

様々な関係者の方と話し合いながら、「認定介護福祉士」の仕組みをうまく活かせる良い方法を考えていきたいと思っています。

  ーー ありがとうございました。

このインタビューから、介護報酬とのリンクについてはまだだいぶ先の展開になりそうですね。
600時間のカリキュラムと高額な受講費用。それに見合うだけの魅力的な資格といえるかどうか。
広く普及すると言っても、認定介護福祉士の認定認証機構のホームページの出来もこれですからね。

はたしてどうなるか。

認定介護福祉士について、日本介護福祉士会内田副会長インタビュー

welconnect

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクトの代表。ウェブ制作を通して介護が社会に開かれることを目指しています。 ウェブサイト制作やリニューアルについてのご相談もお待ちしています。

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