領域： マネジメントに関する領域
科目名： 法令理解と組織運営
教育目的：
・介護サービス提供の根拠となる法令について理解やリスクマネジメントの概念や対応について理解させるとともに、それらを他の介護職に指導できる力を育成する
到達目標：
・利用者に適切なサービスを提供するための根拠となる、福祉・保健・医療の法令と組織運営のルールのポイントについて概説できる。
・法規の構造と調べ方を理解し、必要な時に法令の根拠を確認することができる。
・法令と組織運営のルールを踏まえて行動し、他の介護職に指導できる。
・リスクマネジメントの概念について説明できる。
・事例に基づいて、事故の要因分析、関係者や機関への説明や対応策、再発防止策について検討できる。
・日常的に発生しやすいリスクを発見し、防止策を講ずるとともに、事故発生時の初期対応の重要性を認識し、当事者意識をもって早期に解決する姿勢を確立する。
時間数： １５時間
含むべき内容：
○法令理解と組織運営
・関係法令と運営基準を遵守の重要性
・介護サービス組織にかかる関連法規の種類…介護保険法、障害者総合支援法、指導監査、情報公表制度、第三者評価制度、苦情解決制度、虐待防止法、労働法規、個人情報保護法、生活保護法、成年後見制度、日常生活自立支援事業等
○法規の構造
・法規の構造
・事業関連法規
・介護報酬・給付費の構造
○コンプライアンス
・適正運営のための書類の重要性
・自組織のサービスの根拠条文等の理解
・自己点検シート等を用いた、運営基準、算定基準の読み方
・法規・制度を踏まえたコンプライアンスの実践
・コンプライアンスが実践されるための組織風土・文化
・指導監査、外部監査、情報公表制度、第三者評価制度、苦情解決制度等外部監査及び評価の意味を活用方法
○リスクマネジメント
・介護現場におけるリスク対応の意義と対策（ES、CS、コンプライアンス、利用者・家族とのコミュニケーション、事故に関わったスタッフへのケアなど）
・介護現場における事故の特性とリスク
・事故に対する分析手法（4M4E、Shel等）
・予測可能性、回避可能性と対応策
・苦情対応とサービスの質向上、予防対策の重要性
含むべき キーワード：
介護保険関連法、労働法規、個人情報保護法、障害者総合支援法、生活保護法、成年後見制度、地域福祉権利擁護、高齢者虐待対応、通報、指導監査、情報公表制度、利用者期待、顧客満足度、従業員満足、標準化、サービスの質評価、リスクマネジメント、ひやりハッと、是正対策、予防対策、継続的改善、全員参画、組織文化、介護事故、訴訟、内部告発
考えられる展開：
○集合研修（講義）と演習によって研修を展開する。
（コンプライアンス）
○日常的に現場で知識が求められる基準をクイズ形式で問い、回答及び根拠となる指定基準あるいは算定基準を記載させる。
○法令を順守するとともに活用するという2つの展開を含める。具体的には、利用者に適正なサービス利用を促すために必要となる各種サービスの理解と、組織を運営するために必要となる制度を運営基準の理解や管理方法から展開する。
○組織全体と共に、チームリーダーとしての職能に求められるサービスの質の管理を学ばせる。
（リスクマネジメント）
○事故事例をもとに、要因分析及び応急対応、恒久的内容を含む対応策を立案させる。
課題学習の可否： 一部可 課題学習は７時間を超えない配分とする
留意事項等：
修了評価の方法：
・法令テスト（基礎的な知識の確認と法令や運営基準のポイントを知識として身につける必要性を理解させる）
・サービスの質の評価やリスクマネジメントに関する取り組みの必要性についての理解をレポートとして書いてもらう。
受講要件：
・I類を修了していること
・ユニットリーダー又はサービス提供責任者以上の職歴が 3 年以上の者が望ましい。
講師要件：
・当該科目における十分な知識・専門性を有し、講師等の教育経験があること
・修士課程を修了していることが望ましい
・介護保険施設における施設長、または指定事業所の管理者を統括、管理する管理職経験者が望ましい
・法令順守責任者としての実績があることが望ましい
・行政指導監査を受けたことのある経験者が望ましい
・業界に拘らず品質管理における実務経験者が望ましい
・介護事故の解決方法及び関連法規の適用などを踏まえると、法令、保険会社等の知見から指導できるものが望ましい
